渋沢栄一と勝海舟
渋沢栄一は、もともと尊王攘夷の急先鋒だった人ですが、徳川慶喜との縁で幕臣となり、フランス留学に行ったことから、人生が大きく変わりました。明治維新後、実業家としての本領を発揮するわけです。
この本では、実業家としてではなく、徳川慶喜をめぐる、勝海舟との葛藤という視点で、渋沢栄一を描き出しています。
渋沢栄一は、フランス留学させてくれた慶喜の、早期の名誉回復を期待します。勝海舟も、慶喜の名誉回復を願いますが、ほとぼりが冷めるまで、二十年以上も慶喜を静岡で謹慎させます。慶喜に対するスタンスの違いから、二人は終生打ち解けることはなかったということです。
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