ITプロジェクト④ 企画フェーズ

企画フェーズは、プロジェクトにおいて最も重要なフェーズであると思います。システム開発にあたって、現在何が問題なのか、課題は何なのか、その課題に対してシステムでどう解決したいのか、明確にします。

企画フェーズでは、要求定義、RFP(提案要求書)、ベンダ提案書、ベンダ選定、プロジェクト計画書、という手順をとります。

よく目にする光景は、何か問題があった際に、「システムで解決します」という答え方です。例えば、在庫の把握ができていないことを取引先から指摘されると、「在庫管理システムを入れて管理します」と説明するわけです。

しかし、具体的な在庫管理のためのプロセスを決めないと、在庫管理はできません。在庫管理の細かさ、どの時点で在庫が移動するのかというルール、入力の役割分担などを決めて初めて、在庫管理は可能となるのです。

「在庫管理システム」なるものを導入すると、自動的に在庫がわかるようになるわけではないのです。

また、「システム開発はシステム部門がやればいい」という、社内での当事者意識の欠落もよく目にします。システム部門は構築は専門家ですが、業務要件はユーザ部署が自分で決めなければ、システムは動きません。

これらの問題は、システム開発の一番最初のフェーズである企画フェーズできちんと社内でコンセンサスをとって決めておくべきことなのです。目的を共有できれば、多少意見や立場が異なっていても、同じ方向に収束することができます。そのため、関係者で丁寧な議論を積み重ねる必要があり、それが企画フェーズでやるべきこととなります。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。