民法改正(22) 隔地者間の契約の成立時期の見直し

隔地者間の契約に関しては、「発信主義」(承諾通知を発信し た時に契約が成立)が採用されています。かつては隔地者間で、申し込み・承諾を郵便などで行うと、時間差が発生していました。申し込みの発信から、承諾の受信まで、通信だけで数日ロスしますから、その間に承諾期日が到来した場合はどうするか、というのが問題の出発点です。

しかし現代においては、メールやFAXなど、瞬時に相手に意思表示が伝わるようになりました。このような技術の進展により、意思表示は相手方に到達した時に効力を生ずるとの到達主義の原則を貫くことが可能となりました。現にインターネットによる電子取引では、申し込み・承諾とも、到達主義をとっています。

そこで、改正民法では、隔地者間の場合でも、承諾の意思表示が相手方に到達した時に効力が発生することとなりました。

統一した法律構成をとることができたのは、改正としてあるべき方向だと思います。

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小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。