独立開業の経緯(9) 家庭と地域の仕事

日本への帰国後、会社の外でもいろいろ仕事をさせて頂きました。もちろん会社は兼業・副業の禁止規定がありますので、報酬のない仕事です。

私の住んでいる八千代市緑が丘は、自治会がしっかりしています。自治会役員は毎年交替になるのですが、新しく入居した人には役が回ってくるもので、私も2年目で自治会の理事を1年勤めました。それがご縁で自治会の自主防災会に入っています。

さらに自治会のボランティアが、バラで街づくりをしようと立ち上がり、八千代緑が丘駅の北口ロータリーでバラの植栽を始めました。これは八千代市の誇る京成バラ園の最寄り駅が八千代緑が丘駅であるため、京成バラ園の協力を得て行っています。将来的には八千代緑が丘駅から京成バラ園までの1.1kmの遊歩道をバラで飾ろうという構想が動いています。

また、毎年5月には「緑が丘ローズハーツふれあいフェスタ」がされます。バラをモチーフに、緑が丘に住・職を共にする人々で街づくりをするイベントです。

平和大使協議会という団体にも参加しています。「人づくり・家庭づくり・国づくり」をモットーにして、家庭のあり方、地域のあり方について考え、行動していくものです。各種講演会を行ったり、Peace Roadという、アジアの安定と平和のため自転車で各世界を乗りつなぐ運動や、家庭教育支援条例の成立を支援する運動を行っています。

さらには、地元の市議会議員、県会議員、国会議員を応援する活動もしています。議員の皆さんは、本当に街のことを考えてサポートしてくれます。もちろん選挙で勝つことも大きな目的です。しかし地域のため、そして国のためになることであれば、少しでも応援したいと私は思います。

これらのことは、会社や海外での仕事では、あまり考えが及びませんでした。しかし、これからのことを考えると、家庭と地域というのはとても重要なものだと思います。ひとり親家庭が増えて、家庭が孤立していたり、高齢者が増えて孤立していたりします。こういう人々を守るのは、行政もそうですが、まずは地域だと思います。隣同士で声を掛け合える関係を作るのが大切なのであって、そのための活動は、とても尊いと思うのです。

こういうことをするためには、やはり会社にいては時間的に限界があります。特に平日全く動けないのは、大きな制約です。家庭と地域の仕事をするためには、会社を退職して、個人事業主として生計を立てられるようにしたいと思いました。
また、会社の背景がない中で、自分のスキルや経験が、本当に人の役に立つのだろうかと思いました。自分は安全なところにいて、中小企業のサポートをすると言っても迫力がありません。自分自身も個人事業主の立場で、リスクをもった立場で同じ気持ちでサポートしたいと思います。
さらには、自分自身が解雇したマレーシアの会社の従業員に対する答えを出したいとも思いました。自分で会社の仕事に線を引くことが、当時の従業員に対するけじめになるような気持ちもありました。
これが私が退職を判断するに至った理由です。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。