システム開発の経験(1) 企業間オンラインシステム

ここからは、私が携わったシステム開発の経験について書いてみます。かなり昔のことが多いので、ほとんど現在では参考にならないかもしれませんが、私の世代の方であると、ノスタルジックに共感して頂けるかもしれませんね!

会社に入って最初に担当したのは、当時としては画期的だった企業間受発注オンラインシステム(EDI)です。銀行など金融業界では、既に銀行間決済などでデータ交換システムは存在しましたが、顧客・商社・メーカー間で受発注データを交換するのは、当時はまだあまり事例がありませんでした。

特に受発注データは、顧客がリアルタイムで発注できなければなりませんが、当時はインターネットも普及しておらず、当然Webシステムというものもありません。顧客に設置した専用端末と、本社のメインフレームコンピューターを直接つなぐ、ダム端末方式という方法です。メールというものもありませんので、導入の説明は操作マニュアルを紙で作って個別訪問、障害などの緊急連絡はF-NETというFAX同報通信サービスを使います。社内の説明会の案内も、大量に書状を印刷して、社内郵便で発送するという、なんとも手間暇のかかることをしていました。

大変ではありましたが、クレームも含めてユーザの声を直接聞くことが多く、ユーザ対応の訓練となりました。特に障害発生時の対応は先輩のやり方がとても勉強になりました。とにもかくにも第一報、その後、現象・原因・対策と整理して説明することが大切です。大事なのは、誰かのせいにするのではなく、チームで一緒になって解決するように取り組むことです。また、二次災害、つまり対策を実施したらそれが原因で更に別の災害が発生した、ということにならないよう注意することが大切です。

会社に入った年にシステムが本稼働することとなり、わけもわからず走り回っていましたが、おかげでシステム導入のユーザ対応を、体で覚えることができました。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。