システム開発の経験談(19) システム開発の楽しみ

ここまで約1か月にわたり、会社に入社してから退社するまでの、約30年間のことを書いてきました。いろいろな部署や関係会社にいても、ITの仕事は何らかの形で携わってきました。

システム開発は、うまくいかないことも多くあります。思った通りのものができればうれしいし、だめな時はへこみます。しかし、無から有を生じさせることは、私にとってはやはり楽しみです。新しい技術やツールを見ると、あんなことができるんじゃないか、こんなことができるんじゃないか、と想像を膨らませて、いろいろやってみると、新しい発見があります。また、自分で作るのは限界があっても、ユーザやベンダの立場を越えて、みんなで一つのものを作り上げるというのは、これも大きな喜びです。

システムは、中々思うように動いてくれません。稼働しても、一旦障害が発生すると、現状把握、原因分析、暫定対策、恒久対策と、次々に手を打たなければなりません。夜遅くなってからテンションが上がる、不思議な体験をした方は、少なくないのではないでしょうか。

コンピューターは、指示した通りにしか動きません。問題がおきても、それはコンピューターのせいではないです。システムは人間が作るものですから、実はとても人間くさい仕事だと思っています。

その分、システムがうまく動いた時や、障害を無事解決した時は、嬉しいものです。逆に、次から次に障害が発生する時は、さすがに苦しいものです。システムは、天気と同じで、最後は神頼みだと思っています。ひたすら無事を祈るしかありません。

こんなことを書くと、トラブルを見越していろいろ対策を打っておくべきだ、と言われてしまいそうですが、どんなことでも最後は運に左右されるものです。大切なのは、悪いことが起きても、誰かのせいにするのではなくて、前向きに対応していくことだと思います。そうすると、いい風が吹いてきて、何かのきっかけでよい方向に流れていくものではないでしょうか。

システム開発は人生の縮図のようなものだと私は思っています。これからも楽しんで、取り組んでいきたいと思います。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。