相続(16) 特別縁故者

相続人が全くいないという場合もあります。この場合、家庭裁判所の審判により特別縁故者が、それがなければ共有者が、それもなければ国庫に帰属します。

特別縁故者というのは、相続人ではないものの、故人と深い関係があり、遺産を受け継ぐことができると家庭裁判所が認めた者です。わかりやすく言えば、内縁の妻とかです。

特別縁故者が遺産を受け継ぐためには、時間がかかります。相続人不存在が確定するまで10か月かかり、さらに3か月が特別縁故者の申し出期間です。家庭裁判所が認可しないと、特別縁故者とはならず、遺産を受け継ぐことはできません。

特別縁故者がいない場合は、それが共有持ち分であれば共有者が受け継ぎます。共有持ち分ではない場合は、国庫に帰属します。

日本の法律は、法律婚を守るという基本的な考えがあって、事実婚の場合は、残された者が当然に遺産を受け継ぐような仕組みにはなっていません。婚姻を促進するという考え方が、基本的にあるのだと思います。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。

次の記事

相続(17) 遺贈