相続(18) 寄与分
相続分を計算する際に、寄与分を考慮することがあります。寄与分とは、共同相続人がいる時に、特に被相続人に対して貢献した者がいる際に、その相続分を多く認めるという制度です。
例えばお父さんが亡くなって、相続人がお母さんと姉弟二人である場合、お姉さんが老後の世話などを一身に受けておこなっていたというような場合、お姉さんに一定の寄与分を認める、というケースです。形式的に遺産を分けてしまうと、実質的な不平等となります。そのため、協議により、お姉さんの遺産の受け取り分を一旦取り除いておいて、その残りの部分を法定相続分として分割し、最後にお姉さんの寄与分を足してあげるわけです。
寄与分は必ず遺産分割協議書に書かなければならない、というものではありません。寄与分を考慮した形で、遺産分割協議を行えばいいだけです。しかし考え方として寄与分を取り決めておけば、遺産分割もスムーズにいくケースがあります。
寄与分という考え方は、注意しておいてよいと思います。