相続(30) 持ち主不明土地

日本の不動産は、その多くが相続登記がされずに、持ち主不明となっています。その面積は九州に匹敵するとも言われます。相続登記が進まない大きな理由は、戸籍謄本の取り付けなど、手続き自体が非常に面倒であることも、その理由でしょう。また、相続の結果共有地となってしまい、処分ができずに放置されているということも、あるかもしれません。

持ち主不明土地は、社会的にも大きな問題です。道路を作ったり、建物を建てる際には、所有者から土地を取得したり、地上権を設定する必要がありますが、それができなくなるからです。この問題を解消するためには、やはり相続登記がやりやすくするような、制度改善も必要と思います。

相続登記が進むよう、法定相続証明情報制度や、自筆証書遺言保管制度など、制度改善は行われていますが、やはり相続自体がスムーズに進むよう、自分の死去後の準備をすることが大切だと思います。

遺言書を作成しておくことは、相続を円滑に進めるために、非常に意味があることです。ついつい先延ばしにしがちですが、是非遺言書を作るようにしては如何でしょうか。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。

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