名言シリーズ(15) そんな人は知らない

新約聖書マタイによる福音書 第26章74節の言葉です。名言というより、いろいろと考えさせられる言葉なので、書きました。

イエス・キリストの最初の弟子は、ペトロと言います。ペトロは、イエスにとても愛され、直接指導を受けていました。

ペトロは、イエスに言います。「たとえ、みんながあなたにつまずいても、わたしは決してつまずきません」
イエスは答えます。「あなたは今夜、鶏がなく前に、三度わたしのことを知らないと言うだろう」
ペトロは答えます。「たとえ、ご一緒に死なねばならなくなっても、あなたのことを知らないなどとは決して申しません」
しかし、実際にイエスが祭司長や群衆に捉えられると、ペトロも弟子たちも、みな怖くなって逃げてしまいました。そして、群衆の何人かがペトロを見つけ、「この人はイエスの仲間だ」と言うと、ペトロはそれを否定し続けます。そして三回目に「そんな人は知らない」と言ったとたんに、鶏が泣いたのです。
ペトロは、イエスが言った言葉を思い出し、激しく泣きます。自分がいかに卑怯で、罪深い者であるかを、悟ったのです。

人間は、自分にとって都合がよいときは、調子のいいことを言いますが、都合が悪くなると、言い訳をしたり人のせいにしたり、人を裏切ったりします。しかし、自分の本心はちゃんとわかっていて、後悔するのです。

その後ペトロは心を入れ替え、一生をイエスのために捧げ、最後はローマで宣教して殉教したということです。

聖者といわれるペトロでも、このような弱さがありました。自分の弱さにきちんと向き合い、謙虚になることが、大切なのでしょうね。

投稿者プロフィール

小笠原 裕
小笠原 裕中小企業診断士 行政書士
バラの咲く街、八千代市緑が丘で、コンサルティング事務所を運営しています。